女王陛下のお気に入り(The Favourite)

あらすじ:18世紀英国。女王アン(オリヴィア・コールマン)と、その幼馴染であり影で国家権力を握る官長サラ(レイチェル・ワイズ)のもとに没落貴族のアビゲイル(エマ・ストーン)が召使いとして現れる。


予告だと、女同士のドロドロ悲喜劇として見えて、あんまりドロドロとか見たくない…ヨルゴス・ランティモス監督だから見るけど〜程度だったけど、今のところ今年観た中で一番面白かったです。

三角関係の話ではあるが、個人個人のぶつかり合いだった。女同士の、というのはあまり気にならず、人の悲しみに女も男もないのだなあと思いました。
悲しい時ほど優しくなんでもしてくれる人がいてほしいのはわかるけど、そういう人が本当にしんどい時に、自分のことを思ってくれるのか。逆に、思ってくれる人はいつでも優しいのか。
サラ(あのチャーチルのご先祖なんですって)とアン女王のカップルさあ、幼馴染というだけでただでさえエモいのに、「お互いしか知らないあだ名」で呼び合うとか、病気で苦しい時に初めて会った時のこと言わせるとか…なんなの!?アカデミーベストエモカップル賞あげよう!

同じ監督の『ロブスター』大好きなのですが、あの不穏なのに笑える(でも笑っていいのかためらう)感じはそのままに、人付き合いの教訓としてもよりわかりやすいお話になっていました。
(いや、『ロブスター』も教訓話なんだけどいかんせん設定がぶっ飛んでるから)(恋人がいない状態が45日間以上続くと動物に変えられてしまう世界の話)
アカデミー賞脚本賞獲ってほしかったね…私は3人の中ではレイチェル・ワイズの演技が最高に好きでした。かっこよすぎるでしょ!

あと一つ、劇中象徴的に出てくる『鳩』。
配給のFOXサーチライトのロゴが出てくるところ、よく聴いてみるとびっくりするので冒頭から耳を澄ませておくと良いです。ボヘミアンラプソディみたいにわかりやすくないから!

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