RAW〜少女のめざめ〜

これは人の血ではないよ。

あらすじ:ベジタリアンのジュスティーヌちゃんは、獣医学部に入学し、無理やりうさぎの腎臓を食べさせられてから、肉が食べたくなる。

ホラーの要素は「少女が女性になっていく」というテーマに沿って話が進む。
ちょっと「千と千尋の神隠し」の要素もある。大学へ車で向かう最初のシーンも千尋同様、両親が前、彼女が後ろの席である。
肉をガツガツ食うのは千尋の両親だが、こっちでは豚になった両親をガツガツ食べたくなる千尋みたいな主人公という見方もできる(できる?)。

だけど、心温まる(と見られなくもない)姉妹映画でした。
お姉ちゃん、見た目も言動もキツイけど優しすぎる。私は弟一人の姉なのですが、絶対弟にこんなことしてあげられないね。○○を○○されてもちょっと怒るくらい…なんてお姉ちゃんはなかなかいないと思いますが、姉妹だとわかるところのある映画なんでしょうか?姉か妹いる女性の感想を聞きたい。

心温まらないのは、ジュスティーヌちゃんの初恋だ。初恋の相手自体はいい人だし理解しようとしてくれるのに、この設定は辛いよ。でも最終的にかわいそうなのは相手…
そして最後には姉妹だけの世界ではなかったということがわかる。

映像は美しい、けどもちろんグロいので、そういうのが大丈夫ならおすすめです。
観た後は好んで肉食べたくはならないよね…私は最近納豆オムレツばっかり作って食べてます。
あんまり内容に触れられないので、好きなきょうだい映画を以下にあげます。


◇姉弟映画
「海よりもまだ深く」(2016/日本)
あーわかる弟にこういう口の聞き方しちゃう。って共感しかない小林聡美。
でも人物としては主人公の弟(阿部寛)に肩入れしてしまう不思議な映画。是枝監督はきょうだい映画の神…

◇姉妹映画
「細雪」(1983/日本)
吉永小百合が可愛い。でもこんな妹いたらたまったもんじゃない。義理の兄の石坂浩二が気持ち悪いよ。

◇兄弟映画
「ウォーリアー」(2011/アメリカ)
多分弟と殴り合いとかしたことないんですけど、お兄ちゃんの気持ちになってしまう。弟にこう思われてたらどうしよう…と考えてしまう。お兄ちゃんと同じ職業(地下格闘家じゃない方)だからでしょうか。

◇兄妹映画
「山椒大夫」(1954/日本)
一番想像しがたい遠い場所にいる関係性。「お兄ちゃんいそう」って言われたこと、生まれてから一度もない。厨子王わがままじゃない…?安寿が川に入るシーンの構図が最高。

番外編
一人っ子映画
「KUBO 二本の弦の秘密」(2016/アメリカ)
らしいです!
というのは、この映画を一緒に観た一人っ子の友達がそう言ってたからなんですが、私は言われるまで全くわからなかったんです。これが一人っ子であるとするなら、一人っ子ってこんなに悲しいの…?背負ってるもの大きすぎじゃない…?一人で抱えてくしかないの…?ってちょっと落ち込んだ。わからなかった(そして多分ずっとわからない)自分にも落ち込んだ。

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