あらすじ:アメリカで初めてトリプルアクセルに成功した元フィギュアスケーター、トーニャ・ハーディングの物語。
私はこの映画を知るまでトーニャ・ハーディングのこともナンシー・ケリガン襲撃事件のことも知らなかった。
襲撃事件については、関与している人達それぞれ未だに証言が食い違っていて、それをまとめて見せちゃう構成です。人の記憶は曖昧だから、関係者全員にとって、それぞれが真実であるのだろうと思わせるつくりでした。
カメラワークがすごくかっこいい。特にスケートのシーン、どうやって撮ってるの?撮影監督もフィギュアスケーター??というくらいかなり近い位置からジャンプから何からびゅんびゅん動きながら映していて、そして綺麗。
最近はIMDb(インターネットムービーデータベース)で撮影監督を調べることを趣味としているのですが、この映画の撮影監督であるNicolas Karakatsanisさん、George Bellowsのタッチでトム・ハーディと犬を撮ったことで(私の中でだけで)話題の「The Drop」の撮影監督と同じでした!!The Dropは全然動きがあるような映画ではありませんが、確かに室内の照明の感じとか似てるかも。(この映画に関しては「映画と画家の関係」で書いているよ。)
スケートのシーンもかっこよく、襲撃事件のスキャンダルも暴く(暴いてるのか?)物語ですが、トーニャと毒母親との関係が中心に置かれているように見えます。
親は子どもにとって圧倒的存在だけど、ほとんどの場合、いつか親も人であることを知って自立すると思うんだけど、こんなふうに育てられたらいつまでも自信なく、怯えて暮らすことになってしまうよね…そして似たような人を夫に選んでしまうのか…
ただただトーニャが可哀想に思える。スケートで世間に認められた時素直に喜ぶ姿さえも悲しい。
このように、悲しい物語ではありますが、重苦しい空気になってないのは登場人物の見た目の「似せ」があまりにも似過ぎて笑えるからでしょう。モノマネ大会。
劇中の各シーンと、実際の映像との比較動画があり、鑑賞後見るとさらに面白いです。こちら。(完全にネタバレ)
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